子供のいない夫婦の相続を争続にしないためには、あなたの遺言が必要

最近は相続の話題が新聞や週刊誌に掲載され、「相続」が「争続」にならないように今から準備しておきましょうという内容が載っています。

確かに昔は長男が一人で全財産を相続するのが当たり前でしたが、最近は法定相続のとおりに公平に相続するのが当たり前の時代になりました。

確かに子供に格差をつけず、いいことなのかもしれません。

では、子供のいない夫婦の場合は、財産がどのように相続されるかご存じでしょうか。

よくご主人様が亡くなったら、財産は子供のいない奥様が全部相続すると思っている方がいらっしゃいます。

でも本当は違うんですよ。

法定相続と割合

法定相続では、奥様が財産の2/3を相続し、残りの1/3はご主人様の両親が相続します。

もし両親ともご健在の場合の割合は、父1/6、母1/6になります。

両親健在家系図

しかし、ご主人様の両親が高齢で亡くなっている場合は、ご主人様の兄弟姉妹が相続することになります。

この場合は、奥様が財産の3/4、ご主人様の兄弟姉妹が1/4を相続します

例えば兄弟が2人いた場合の割合は、兄1/8、弟1/8になります。

兄弟がいる家系図

 

ご主人様の兄弟姉妹が無くなっている場合は、甥と姪が相続します。

甥と姪は代襲相続人となり、ご主人様の兄弟姉妹と同じ財産の1/4を相続します

例えばご主人様の兄弟の内、弟は健在ですが兄が亡くなっていて、兄に息子と娘がいたとすると、弟の相続分は1/8で、兄の息子(甥)は1/16、娘(姪)も1/16の相続になります。

 

甥姪がいる家系図

相続時のトラブル

もし、亡くなったご主人様が多額の現金と住宅を保有していれば、相続人の親や兄弟姉妹が現金の一部を相続し、奥様が住宅を相続することも可能です。

ただこの場合も自分以外の相続人の承諾がなければ、預金を下ろすことができません。

また住宅だけしか財産がない場合は、売却して現金化しなければ財産を公平に分けることができずトラブルになります。

しかし売却してしまえば奥様の住む場所がなくなり、老後の生活が脅かされます。

そこで、奥様に財産をすべて相続するためには遺言を書いておく必要があります

しかし、ここで遺留分について注意しなくてはなりません

遺留分とは、法律で保障されている一定の相続人が最低限度相続できる財産のことです

遺留分は法定相続割合の1/2になります

シニア夫婦

では具体的に見ていきましょう。

例えばご主人様が亡くなり、相続人が奥様とご主人の父親の2人の場合、仮にご主人が生前に遺言で全財産を奥様に相続すると残していても、父親には1/6の遺留分があるので全財産を奥様に相続することはできません。

全財産を3,000万円とすると、法定相続割合であれば奥様(2/3)2,000万円、父親(1/3)1,000万円になりますが、遺言があると奥様(5/6)2500万円、父親(1/6)500万円の割合になります。

また、相続人が奥様と兄弟姉妹の場合、仮にご主人が生前に遺言で全財産を奥様に相続すると残していれば、兄弟姉妹には遺留分がないため奥様に全財産が相続されます。

仮に兄弟姉妹の相続人が亡くなっていて、代襲相続人の甥や姪がいる場合でも遺留分はありませんので、奥様に全財産が相続されます。

この例からいかに遺言が大事かご理解いただけたでしょうか。

遺留分には時効があり、大雑把にいうと相続の開始を知った時から1年間になりますので、注意が必要です。

財産分与

遺言には3種類がある

遺言には自筆証書遺言公正証書遺言秘密証書遺言の3種類があります

自筆証書遺言

自筆証書遺言は全文を自筆で書く必要があり、パソコンでの作成や代筆はできません。

紛失や他人に破棄される恐れがあり、自筆証書遺言が発見された場合は家庭裁判所の検認を受けなければなりません。

秘密証書遺言

秘密証書遺言は内容を明らかにせず、自筆でなくとも構いません。

遺言書を封筒に入れて公証人及び二人の証人に存在だけを認めてもらう方法です。

この場合も家庭裁判所の検認が必要ですし、自分で保管の必要があります

公正証書遺言

公正証書遺言は公証人に内容を説明して遺言書を作成してもらいます

作成された遺言書は公証人のチェックを受けているので法的に有効です。

また、公正証書遺言が認められるためには公証人の他に2人の証人が必要です

私が友人の公正証書遺言の証人になった時は、私と司法書士が証人になりました。

ちなみに公正証書遺言の費用ですが、一部を記載します。

財産の価額手数料
1,000万円まで17,000円
3,000万円まで23,000円
5,000万円まで29,000円
1億円まで43,000円

出典:「遺言」/「日本公証人連合会

この他に正本と謄本の交付につき250円×枚数の手数料がかかります。

公正証書遺言のメリットは、自分で書かない紛失しない家庭裁判所の検認が必要ないなどがあります。

このことから遺言をする場合は、公正証書遺言が一番安全で確実です

遺言書

まとめ

  • 子供のいない夫婦の相続は配偶者、親、兄弟姉妹が相続人になる
  • 遺言がないと奥様に全財産を相続できない
  • 費用はかかるが公正証書遺言が安全で確実である

今回も最後までお付き合いいただきありがとうございます。

 

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